やらなければいけないことばかりに追われていると、目の前のことをこなすことに必死になって自分が自分じゃないような、
感情がどこかに置いてけぼりになってしまっているような感覚になることってありませんか?
「本当は誰かを頼りたいし弱音だって言いたいけど、でもそうしたら負けちゃいそうで。
もっと頑張らなきゃいけないし、頑張りたい気持ちはあるけど….
でも.. もう何か疲れちゃったよ….」
かつての私はこんな感情を抱えていました。
もし今、あなたがかつての私のような感情を抱えていたとしたら、夏生さえりさんの「今日は、自分を甘やかす」という本をぜひぜひ読んで欲しいなと思います。
夏生さえりさんってどんな方?
山口県生まれ。フリーライター。大学卒業後、出版社に入社。その後はWeb編集者として勤務し、2016年4月に独立。Twitterでは月に1500万以上の閲覧数があり、フォロワーは合計で13万人を超える。「妄想ツイート」をはじめとして多くの女性の共感を呼んでいる。
難しいことをやわらかくすること、人の心の動きを書き出すことと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。好きなものは雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。2017年5月PHP研究所より『今年の春は、とびきり素敵な春にするってさっき決めた』が刊行。
現在はフリーライターとしてご活躍されているさえりさん。
ふわっとした笑顔が優しくて癒し系のさえりさんですが、さえりさん自身もかつて心身ともに疲れてしまった時期があるそう。
この「今日は、自分を甘やかす」は1節が見開き2ページというかなり短いものです。
本当に忙しいときって、本を読むことも辛かったりしませんか?
でも1節が見開き2ページという短さなら、忙しくて余裕のない時にでも読むことができます。
そんなところもさえりさんの心遣いなのかなぁ、なんて思ったり。
しかも見開き2ページという短さですが、しっかりと言葉が心の中に染みてきて、ついつい目がウルウルしてきてしまうほど。
書籍の他に、さえりさんのTwitterや連載にもピンと張った感情をゆるめてくれるような言葉がたくさん散りばめられています。
自立した大人になってね、と言われて育ったから、人に頼りすぎちゃいけないとか、ひとりぽっちでも大丈夫でいなくちゃとか昔は思ってたけど、そうじゃなくて、自立した人同士が支えあえば、ひとりよりうんと強くなれるし、相手を本当に幸せにできる人になれるから、自立が必要なんだっていまは思う
— さえりさん (@N908Sa) 2015年11月2日
>> 誰かのコンプレックスとふわりと向き合う連載「彼女の「嫌い」なところ」
>> 就職を機に上京した主人公が、東京の暮らしの中で成長していく「いくつかの夜の先に -とある女の上京物語-」
そんなさえりさんの「今日は、自分を甘やかす」の中で、特に精神的にも肉体的にも疲れ切っていたかつての自分に伝えてあげたいと感じたものをいくつか紹介していきます。
「今日は、自分を甘やかす」ための3つのこと
1. 頑張ってる人に必要なのは「もっと輝くこと」ではない
緊張して、毎日「もっとがんばらないと」と気張っていたときよりも「ゆるい気持ち」で自分らしく暮らしているときのほうが、自分自身もしあわせだし、そしてそのしあわせでいられる「余裕」の方が、人にもしあわせを届けているのでは……?
そうして自分を大事にできているときのほうが、未来にわくわくする余裕も生まれるのでは……?と。
「がんばらなきゃ」って思えることはすごいことだし、大事なことです。
でも時にはその気持ちが負担になってしまったり、思い続けるのが大変なときもあります。
なぜ負担になったり、大変に思えてしまったりするかというと、
「頑張らなきゃ」って思うときって、
- 今の私じゃまだまだダメだから
- 今の私じゃ足りないから
というような、「今の自分」に対する自己否定の要素も含まれているから。
「頑張らなきゃ」と思ってしまうときほど、今の自分を受け入れて愛してあげることが必要なのかもしれません。
2. 自分の気持ちをまるっと受け止めてあげる
「なりたい自分像」がどうしても存在するし、「こんなことで怒る自分」は大人気ないかな?とか、「こんなことを悲しいと思う自分」は心が弱いのではないか?と考えてしまい、どうしてもスムーズに受け入れられないことがある。
このフレーズを読んだときに「めっちゃ分かる….」と思いました。
私は仕事でも何でも「○○さんはもっと頑張ってるんだし、こんなことで弱音を吐くのは情けない」と思う癖があったんです。
正直、ネガティブな感情ほど自分自身で受け入れ難いものだと思います。
でもネガティブ思考になってしまっているときって、ほとんどが「誰かと比較してしまっている時」なんですよね。
自分軸で考えているのではなくて、他人軸を見てそれと比較してしまっているから「私は弱い」と思うし「情けない」と思う。
目指すべきなのは、昨日よりもいい自分であって、AちゃんやBちゃんに勝る自分ではない。(略)自分以外の人には、どうがんばってもなれない。だったら、自分史上最高の自分になっていくしかない。
「受け入れる」ってすごく怖いことだと思います。
でも、自分史上最高の自分を目指すためにはまず現状を把握し、理解することが大切なんだと感じました。
3. 人は案外わたしが思うほど気にしてない
生活を送る上で、どうしても人との関わりは生じます。
そんな中で人の目を全く気にしないというのはなかなか難しいことだと思います。
自分が起こす行動に対して「こういう風に思われたりしたらどうしよう」と思ったり、「噂をされるんじゃないか」「ずっとネタにされるんじゃないか」なんて思ってしまうこともありますよね。
でも「今日は、自分を甘やかす」の中ではこのように書かれています。
自分が気にしていることは、誰かの頭に残っていると思いがち。けれど、「人は全然気にしていない」。
実はこれ、私も実体験があるんです。
前に会社で働いていた時に、仕事がなかなか終わらなくて、先輩に手伝ってもらいながら深夜まで残って作業してもらっていたことがありました。
「先輩まで巻き込んじゃって申し訳ないな.. 私にもっと知識があればこんなことにはならなかったのに..」と本当に申し訳なくて。
その気持ちを先輩に伝えると、
「え!全然!今までもこういうことはあったし、むしろ勉強になった!ありがとう!」
と気にしていないだけでなく、お礼まで言われてしまったのです。
もしかしたらその言葉は先輩の優しさだったのかもしれないけれど、でも自分の思っている感情が必ずしも相手も感じているものではないということを感じた経験でした。
どんな道を選んでも、なにをしていても、人はあまり自分に興味がない。思っているより、みんな忙しいのだ。
4. 無駄を認める
でもやっぱり、わたしは「無駄」は心にいいと思う。無駄話も、無駄な買い物も、多すぎなければ、心にいい。
インターネットの発達した現代では、スピード感・効率が最重要視されます。
それだけスピーディーに、どれだけ効率よく事を終わらせられるかが決めてだし、仕事であればそれが1つの評価の柱になります。
でも、あまりにも色々なことを効率化しすぎると、置いてきぼりになりがちなのが「感情」なのではないかと私は考えています。
ディスに―やスターバックスなど、世の中で成功しているサービス業には共通点があり、その共通点こそが「無駄を認める」ということだそうです。
ディズニーであれば清掃員さんのちょっとしたパフォーマンス、スターバックスであればカップにイラストを描くサービス。
どちらも「清掃をする」「コーヒーを提供する」という本業とは異なるものであり、言ってしまえば「無駄」なことですよね。
でも、清掃員さんのパフォーマンスを見れば多くの人が「すごい!」「ラッキーだったね!」と楽しい気持ちになるし、スターバックスの店員さんにイラストを描いてもらえればやっぱり嬉しいものです。
効率化やスピード重視の世界で、置いてきてしまった「感情」を取り戻すのが「無駄をする」ということだと思います。
でも、こういう無駄はどんどんしたほうがいいと思う。無駄を認めるのは、心に何かを許す隙間があるという証拠だと思うのだ。
スピードも効率化も確かに大事。でも、そればっかりすると心が冷たくなってしまうから、たまには無駄をして心を温めてあげることが必要なのかもしれません。
紅茶をゆっくり飲んで、今日は自分を甘やかそう
自分と人に優しく、ほがらかな毎日を送れるように、そしてその先に少しでもあなたにとってハッピーな未来が待っているように。
本書が、少しでもその手助けとなる本になれますように。
「本当は誰かを頼りたいし弱音だって言いたいけど、でもそうしたら負けちゃいそうで。
もっと頑張らなきゃいけないし、頑張りたい気持ちはあるけど….
でも.. もう何か疲れちゃったよ….」
と思っている方は、ぜひこの「今日は、自分を甘やかす」を読んでみてください。
きっと明日は今日よりも和やかで優しい1日になると思います!